最後に交わす言葉と分かっていたら、、、
一期一会
「一期一会」よく耳にする言葉。僕は今まで「初めて会った人にこれで最後と思って接する時間を大切にする」ことと思っていた。でも本当に意味は「毎日会う人に今日で最後という気持ちで大切に接する」という意味なんだと教えて貰った。
二度と会えないと知ってたら
昨日、道を歩いていたら見覚えのある車に
笑顔のおばあちゃんの顔が見えた。
「あら、もう会えないの?寂しわね。」
そう言ってくれたデイサービスに来てたおばあちゃんの元気な顔を見る事が出来て嬉しかった。
そんな偶然に出会えることもあるけど、、、
それは、夏休み前の中学2年のある日、クラスメートの女子に声をかけられた。
「ねぇ、放課後時間ある?掃除終わったら教室で待っててよ。」
「えっ、何?どうしたん、まっいいけど…」
特に部活もなかったし、暇だから何の気なしに答えた。
時間は過ぎ、掃除も終わり誰もいなくなった教室の机の上に腰掛けて待っていた。心の中では
「掃除も終わってだいぶ時間が経つのにどうしたんかな?」
ぼーっと、校庭を眺めながら時だけが過ぎていた。
ガラッと音がして扉が開き、彼女がゆっくりと教室に入ってきた。
「遅かったね。どうしたの?何か話があるの?」
とそっけない言葉をかけた。思春期真っ只中だったけど、男女関係に無頓着だった僕は、何だかよく分からなかったんだ。
近くに歩み寄ってきたけど、何かもじもじして
なかなか話し始めない。どれだけ沈黙が続いただろう。僕はじっと校庭を眺めていた、、、
すると、意を決した彼女の口がやっと開く。
「あのさ、アラは彼女とか好きな人いるの?」
可愛いなって思う人はいたけど、まだまだ初心だった僕は、付き合うとかには疎かった(笑)
だから彼女のそんな思いなんか全然気が付かないで、、、
「好きな人?いないこともないけど…、付き合っている人はいないよ。」
って味気なく答えた。
「そうなんだ、じゃあさ…」
と言った彼女がまた言葉を失う。そして
また少しだけ沈黙。
しばらくして
「ねぇ、私の事どう思う?好き?嫌い? もし良かったら付き合えいないかな?」
僕の頭の中では、「えらい事を告白された。どうしよう?簡単には答えらえないな。可愛いとは思うけど、今まで好きとか嫌いの対象にして考えたことはないし…」
と思い言葉を見つけようとして、黙って考えていた。
そんな長い沈黙じゃないのに、5秒、いや10秒くらいかな。すると彼女は突然走り出し、
「もういいよ。もう…」
とだけ言って教室を後にしてしまった。
「えっ‼︎こんな大事な事、簡単に答えられないでしょ?えっ‼︎もういいって何?」
と頭の中で呟いた。
僕は取り残された教室の窓から、しばらく中庭の校庭で部活をしているバレー部の練習をぼんやり眺めながら、さっきの出来事を考えていた。
どれだけ時間が経っただろう。バレー部のみんなが急に練習を止めて集まり始めた。気になってカバンを持って下へ降りて行ってみた。
みんな泣いている、、、
「なんかあったの?」
クラスメートを見つけて声をかけてみた。
「確かな情報ではないんだけど、〇〇が交通事故にあったらしいんだよ。」
「えっ⁉︎さっきまで一緒にいたよ。何で泣いているの?」
「ダンプに巻き込まれて救急車で運ばれてみたい…」
僕は血の気が引いていくのを感じて言葉を失った。そう、教室を走り出した彼女はそのまま帰路につき、帰らぬ人になってしまったんだ。
僕が、もう少し気の聞いた答えをしたり、話が弾んでいたら、ちょっとだけ時間がずれて交通事故に遭わなかったかも知れない。
僕が決して悪いわけではないけど、当時はとても自分を責めていた。
あなたならどんな言葉を投げかける?
あなたにもないだろうか?
最後に言葉をかけて二度と会えなくなってしまった人が、、、
もう二度と会えないなんて思っていないから、何の気なしに発した言葉。
イライラしていたからつい
キツイ言い方をしてしまったり
嫌味な言い方をしてしまったり
「なんでこんなこともできないの?」
「いっつも文句ばかりでこっちだって嫌んなっちゃうよ。もういいよ!」
「もういつもこれなんだから、最低ねっ!!」
「もう私の気持ちなんて本当、わかってくれないんだから、大嫌い!!」
もしこの人に、これでもう二度と会えないと分かっていたら、、、
同じような言葉を投げかけるだろうか?
今、前の前にいる人に、明日も会えるとは限らないんだ。人は簡単に目の前からいなくなる。
当たり前のように会っていた人が急に何の前触れもなく。
あの時、
「こんな風に伝えれば良かった」
「もっと優しくしておけば良かった」
「違う言い方にしておけば良かった」
など後悔を残さないように
今日で最後と思って相対する人に接してみませんか?